こんにちは!スタッフの満田です!
今回はギターのチューニングに関するお話です。前半は基礎的な内容が中心になるのでギターを始められたばかりの初心者の方も是非ご覧ください!
レギュラーチューニングの方法と注意点
6弦から順にE,A,D,G,B,Eの並びになる最も一般的なチューニングをレギュラーチューニングと呼びます。動画では5弦から始めて1弦まで順番に合わせ最後に6弦で締めていますが、この順番で合わせている理由は後ほど解説致します!
ではチューニングの際の注意点について。
まず第一のポイントは必ず締め方向で合わせること!弦を緩めて合わせると、実際に合わせたつもりのピッチから落ちてしまうことが多いです。動画で1弦Eを合わせようとしているところが良い例になっているのですが、少しピッチが高くなってしまった場合は一旦大きく緩めてから再度締めて合わせると安定しやすくなります。半音下げチューニングやドロップチューニングなどで下げる場合も同様に、一旦目標のピッチを通過する程度に緩めてから締める方法でチューニングするのがオススメです!
第二のポイントは最低でも2回はピッチを確認すること!1度合わせただけではズレることもあるので念のため、ということですね。動画では1弦及び6弦のEが微妙にズレていますね。特にストラトキャスターなどのトレモロユニットを持つ構造のエレキギターは各弦のテンションが連動している影響で他の弦も一緒にピッチが変動してしまうので、より念入りな確認が必要です。
最後のポイントはコードを弾いて響きに違和感が無いかを聴覚的に確認すること!この点も後述致しますが、チューナーのメーターによる誤差を修正するためです。動画でも弾いているEメジャーコードは響きの違和感が出やすいのでオススメ!
また、全体におけるポイントになりますが、チューナーのメーターを見ながら常に耳でもピッチを判断することも非常に大切になります。慣れないうちは難しいかと思いますが、回数を重ねるごとに耳が鍛えられていくのでイヤートレーニングも兼ねて音程を意識してみましょう!一緒に声を出して各弦のピッチを体感してみるのも効果的です!
オススメのクリップチューナー「Snark SN-1X」
動画で使っているクリップチューナーはSnarkのSN-1Xです!お手頃価格ながら精度が高く、視認性にも優れることやデザインの可愛さなどから世界中で愛用されていますね!私も非常に気に入っているアイテムで5~6個持っていますw
満田のチューニング駄話『5弦Aから合わせる意義』
先ほど少しだけ触れた、5弦からチューニングを開始する理由について。やや込み入った内容にもなるため、参考程度にご覧頂けると幸いです。
理由は大きく分けて2つ。まず1つ目はチューニング行為自体がAを基準としていることです。オーケストラなどもオーボエのAの音から初めて各楽器が合わせていくスタイルを伝統としていますね。ここで肝になるのは“AはAでもピッチに若干の振り幅がある“という点。通常A=440Hzとなっていますが、場合によっては441Hzや442Hz等の指定が入ることがあるのです。特にピアノのように気軽に調律できない楽器が異なるピッチでセッティングされている場合は、それに合わせてAを基準として楽器全体のピッチを揃えていくのが通例となっております。そういった厳密なピッチの誤差をAの音を鳴らしながら楽器同士で合わせる方法がよくあるため、Aから合わせる癖をつけておくとより幅広く対応しやすくなる利点があるのです!
2つ目は6弦が安定しにくいことです。これは先ほどお話しした「常に耳でもピッチを判断する」ことにも関連する内容です。チューナー(特にクリップタイプ)は誤差がどうしても生じてしまうもので、6弦は弦振動の大きさもあり、その振り幅が特に大きい傾向があります。そのためより厳密な精度を求めるためには聴覚による補助が必要になるのですが、6弦は1弦と丁度2オクターブ違いのEになるため、1弦を合わせた後の方が聴覚上合わせやすいのです。そのため1弦→6弦の順番で調整しやすくなる5弦スタートは都合が良い訳ですね。
また、これらの事情によりAのピッチが耳に馴染んでしまったので、Aからチューニングし始めるのが楽になったというのも5弦スタートの理由ではありますが、それは個人差が出る感覚依存の面が強いためあくまでオマケの理由になります。
余談ですが、ジャズ・フュージョン系ギタリストのエリック・ジョンソン(Eric Johnson)氏は3,2,1,4,5,6という順番でチューニングするそうです。曰くこの順番が一番ピッチが合いやすいとのこと。ジョンソン氏が構造上チューニングに手間が掛かりがちなストラトキャスターの使い手であることも大きく影響していそうですね。
総括
今回はギターにおけるチューニングの話でした!
ポイントをまとめると……
- 目標のピッチに合わせる時は音を上げる方向で合わせる!
- 下げたい時は一旦目標のピッチよりも下げてから上げて合わせる!
- 各弦最低2回ずつ確認する!
- コードで全体のハーモニーを確認する!
です!
最後までご覧頂きありがとうございました!
パプリカミュージックスタジオ 満田